
パブリックアートと人々の関係/第1回共同リサーチ:あなたの住んでいる場所の近くにあるパブリックアートVol.2 |
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<誰が、なぜ、それを、そこに> 新宿アイランドタワー付近の野外彫刻群をレポートしてくれたメンバーは、探偵さながらに情報を求めてアイランドタワーの管理事務所に辿り着き、ようやくパンフレットを入手、そこで初めて「これなんだ?」くらいに思って横を通過していた彫刻が現代アートの巨匠「ロイ・リキテンスタイン」の作品であることを知って驚いたそうです。また、このパンフレットを通して初めて、この地域にある10個の大型パブリックアートは、このビル周辺を再開発した住宅・都市再整備公団によって設置されたと知り、こうした有名作家の彫刻が税金によって購入されているのだろうか、と資金の出所にも興味を持ったそうです。
この例はパブリックアート作品の<誰が、なぜ、それを、そこに>がその場所の歴史や物語、作家の選定ともうまく結びつき、「モニュメント」として機能している好例であると言えます。ただし、だからといって通り過ぎる人々が必ずしもそのモニュメント性を理解しているわけではありません。この彫刻を背景とした舞台で催し物が行われたり、この彫刻のある広場は近所の敬老ホームのお年寄りの散歩・休憩場所になっていたりするそうですが、このアートの<誰が、なぜ、それを、そこに>を知らずにいる人も多いのではないかという報告でした。 浜松在住のメンバーは、浜松駅前にある「のびゆく浜松」というパブリックアートをレポートしてくれました。このオブジェのタイトルとはうらはらに、この付近は浜松オートレースに行く人たちがたむろしていたり、ホームレスの住処になっていたりして、一般市民からはむしろ敬遠したい一角になっているという報告でした。これはモニュメンタルなアートが、設置の意図とは全く別のものとなってしまっている例と言えるでしょう。パブリックアート=地域における文化的付加価値という図式は関しては必ずしも成り立たないようです。モニュメントのメッセージ性を周囲の環境整備や再開発といった実際の営みで裏付けていかない限り、住民がそこから受け取るものが全く予想外のものになってしまうという場合もあるのです。 Vol.1 あなたの住んでいる場所の近くにあるパブリックアート Vol.3 パブリックアートの使い方 Vol.4 パブリックアートとのもっと楽しい関係 |