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「使いまわしはやっぱりダメ?」
最近話題になった船場吉兆や赤福の使いまわしについて、一度出したものを新品といって出すのは言語道断だけど、「まだ食べられるものを捨てるのはもったいない」の部分に限っては共感できる人も居るのではないか、という意見もありました。例えば、レストランでも、まだきれいなものは、「一度お客様に出したものですが、手をつけられなかったので火を通しました」というような但し書きをつけ、お客が納得するならば良いのではないか。
そう思って、世界のメンバーに、レストランでの食べ残しの使いまわしを許容する地域があるか確認したところ、一般的に先進国では容認されていないようでした。しかし、ラオスやスリランカからは、使いまわし事例が報告されました。これは、衛生観念が不足しているからではなく、まさに「もったいない」の精神が生きている事例と言えるようです。
また、イギリスでは、スーパーで賞味期限切れの食品を値下げして販売するのは普通のことだそうです。「賞味期限間近です」とか「賞味期限切れですので自己責任でお食べください」といった表示をつけて割引して売る方法は、あり得るのではないでしょうか?
ところが、最近の日本のコンビニでは、従業員に対して期限切れ商品の持ち出しを禁じているという報告がありました。ますます保身に走る日本企業の姿と、それにパラレルな「自分で判断することを放棄した消費者」の姿が垣間見えます。
ところで、カナダでは、小売店が賞味期限切れ間近の食品を寄付したり、自分の家で食べない食品を恵まれない人に寄付したりする「Food Bank」の活動が盛んで、大手のスーパーでは「Food Bank」と書かれた大きな袋をしばしば目にするそうです。オーストラリアでも、1990年代に、製造物責任を問われる法律が導入されて以来、食中毒訴訟を避けるために残り物が無駄に廃棄されていましたが、近年、ホームレス等へ食べ物を寄付する人を保護する法改正が各州で進みつつあるそうです。
 食べ物の寄付者を保護する法律例
食べ物の寄付を行うNGO団体は、ホテル、ケータリング会社、フードチェーン、レストラン等から売れ残った食品を受取り、ホームレスや避難シェルターなどに配達しています。
他にも、食べ残しを回収してコンポストとする仕組みについても報告がありました。このようなリサイクルの仕組みも大切ですが、その前に、まずは食べ物を残さないこと。「自分の買ったものを持ち帰る」ことを堂々と主張する習慣を取り戻したいものです。
ある本(関連サイト参照)によれば、事業系および家庭系の食品廃棄物の内、食用とならない部分を30%と見ると、食品ゴミはおよそ1120万トンになるそうですが、これは2000年の食品消費量の17%だそうです。したがって、現在、約40%程度の日本の食糧自給率は、食品ゴミを失くせば、単純計算でも57%にまで回復するそうです。
今回は、「店側の保身的姿勢」や「消費者が自ら判断することの放棄」が、「もったいない」に優先されているケースを見てみました。次回も、引き続き、別の論理が「もったいない」に優先されるケースです。
Vol.1 「世界のもったいないもの」
Vol.3 カーシェアリング・カープーリングとは?
Vol.4 土に還る容器「生分解性プラスチック」とは
Vol.5 コミュニティガーデンという試み
Vol.6 「もったいない」と文化~小さな自然を守るために~
Vol.7 家具や電化製品の交換(リユース)の仕組み
Vol.8 商品カタログ、ドレッシング
Vol.9 知識の伝承/価値とメディア
Vol.10 世界から消えゆく商店街
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