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インド、ラオス、ケニアのメンバーからの報告によると、これらの地域には町内会と呼べる活動は存在しない代わりに、様々な自助グループや宗教団体が大きな役割を果たしているようです。
宗教団体による活動
ラオスのメンバーからは、お寺が地域活動で大きな役割を果たしていると報告がありました。
「ラオスには町内会のようなものはありません。少なくともビエンチャンにはないようです。ですが、ここは仏教の国。何でもお寺が中心に回るようでして、格村には必ずといっていいほどお寺がひとつあります。そこの担当の人が数名おり まして、たとえば「バーシー」という儀式(結婚、ひっこし、厄払い、各種お祝いなどに関わる儀式)で、中心的役割をするのは、そのお寺担当の人。村の中で バーシーがあると、必ずその人がよばれます。」
ケニアのメンバーによると、「教会も一つのコミュニティのベースになってはいる」ということです。
血縁によるネットワーク
レバノンのメンバーからは血縁グループの繋がりについて報告がありました。
「首都のベイルートでは、町内会は存在しませんでした。こちらでは、そもそも公共の場所をみんなで綺麗に保とうという意識が薄いというのを聞いたことがあります。その結果、窓から道路に物を捨てるということが恒常的に行われており、市民が主体となって掃除などを行う事は難しそうでした。
ただ、地方の村は勝手が違うようで、町内会というグループとしては組織されていませんが、村や町の人が中心となってスーク(市場)やお祭りなどが行われています。地方の若者も活発に活動しているのですが、このグループの繋がりは基本的に血縁によるものです。地方の村は殆どが皆血縁関係にあり、内部で結婚を繰り返しています(さすがに兄弟ではないですが従弟レベルでの結婚はよくあります)。
村全体が大きな家族なので、自然と繋がりが強くなり、イベントを行うなどでも人が集まりやすいといえます。そういったグループの長は基本的には家長(その一族で一番年配の男性)となるそうです。
それから、行政との関係ですが地方村までは行政がきちんと行き届いていないので、こちらの血縁のグループの方が、繋がりは強固です。」
自助グループの活動
ケニアのメンバーによると、貧困層には、「自助グループや頼母子講が存在する。30名−50名からなる。民族、出身地区、同業者などからなる」とのことです。
「ケニアのような行政が脆弱な国では、自助グループなどの自発的な活動は重要。特にセーフティネットの代わりを果たしており、グループ内でお金を出しあって困った人に貸したりあげたりしている。」
とのことで、インドネシアからも「アリサン」の報告がありましたが、途上国では、行政の機能が脆弱であるだけに、住民の自助グループや宗教団体の役割が大きいようです。
インドのメンバーからも、Self Help Group(SHG)に関する報告がありました。
「インド政府が農村における生活向上のために組織作りを推進している。村に住む女性約20名で組織され、共有地の管理、健康対策、生活改善運動などを行っている。SHGには男性のグループもあるが、男女混合のグループはない。インドの農村は伝統的に男性社会であり、女性は一人で外出できず、外部の男性と会うことも禁止されていた。SHGの設立が女性の自信につながり、現在では男性グループよりも協調性の高い女性グループの方がマネジメント能力が高いことがわかり、女性の活躍が期待されている。」
「SHGの編成にあたっては、類似性(年齢、収入、居住区、民族など)に基づいて自分たちでメンバーを選ぶ。SHGミーティングは週1回の頻度で開かれている。意思決定は民主的であり、ルールは各グループが決定するが、訪問した南インドのSHGでは遅刻者は罰金5ルピー、無断欠席は10ルピーの罰金規定が設けられていた。」
とのことで、町内会のように全住民参加型の組織ではないのですが、比較的強制力の強い組織になっているようです。
インドというとgram panchayat(村議会)、Gram Sabaという制度が比較的知られていますが、これらは徴税権を持つ行政組織に近いものです。
次回は、欧米の住民組織についてです。
Vol.1 世界に町内会はあるのだろうか?
Vol.2 町内会とは何だろう?
Vol.4 町内会のない国
Vol.5 町内会に少し似た活動
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