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土に還る容器「生分解性プラスチック」とは

/第4回共同リサーチ:世界のもったいないものVol.4

leader from from
三沢健直 松本市
day
2008-09-18
 

ヨーロッパの生分解性プラスチック認証制度

 まずは、フランスのメンバーがヨーロッパ地域の生分解性プラスチックの認証制度についてまとめてくれました。以下に転載します。

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1.ヨーロッパ規格

 ヨーロッパには複数の生分解性プラスティック認証団体が存在するが、認証は全てEN 13432(EN=欧州規格)という欧州議会が認可した規格に従っている。認証を出すには、以下の全ての検査を通過しなければならない。

【EN 13432の検査過程】
・科学物質検査:全ての生成物質を公開
・水溶媒の生分解性度(酸素消費量と炭酸ガス生成):6ヶ月で製品の90%以上が炭酸ガスになること
・コンポストでの分解度:コンポスト期間3ヶ月以内に、残留物の容量が10%以下になること
・コンポスト施設内におけるコンポスト検査:コンポストの過程においてどのような外部影響も許可されない
・コンポスト生成物の利用:コンポスト生成物を利用した、植物の育成状況を調査。生体毒性についてもここで検査。

2. 認証団体

 ヨーロッパ地域で最も普及しているラベルはAIB-Vinçotte社(ベルギー)のものと、DIN-Certco社(ドイツ)のもののようだ。

 AIB-Vinçotte社は、安全や環境に配慮した工業製品の認証を行なっており、生分解性プラスティックにもラベルを出している。古くは1890年に、工業機械や製品の安全性を調査し保障する目的でAIB(Association des Industrials de Belgique:ベルギー企業団体) として設立された。
 現在は、生分解性プラスティック等の製品の品質を保障する「生分解性OK」認証の他に、「コンポストOK」認証も出している。Vinçotteはベルギー国内に限らず、オランダ、イタリア北部、フランス、また東欧圏で広く認証を行ない、またアジアでもインドや日本で上記ラベルを出しているという。

生分解性プラスチックラベル

 一方のDIN-Certro社が発行するラベルはドイツ、スイス、オランダ、英国で認知され使用されている。

 現在、認証規格の中には「GMO(遺伝子組み換え)」原料の使用についての記載は特に見当たらない。生分解性プラスティックを製造している会社がそれぞれ、認証ラベルの他に「GMO原料は一切使用していません」などの注意書きを製品に添えているようだ。

3. 生分解性プラスティックの利用状況

 調査結果(Club bioplastiqueより)によれば、2006年には通常のプラスティック670万トンの使用に対し、生分解性プラスティックが1万1千トンが使用された。今後の見通しとして、2015年には通常プラスティック8百万トンの利用に対し、生分解プラスティックは40万トンの利用が見込まれているという。

 生分解性プラスティックは、主に包装材(スーパーの袋、薬の包装材など)や容器(農作物の輸送用容器、ボトル)などに利用されている。また、車の部品や洋服素材等への利用も始まっているという。<ページ下部の関連サイト参照>

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 ドイツのメンバーからは、優れた廃棄物リサイクル制度で知られるドイツでの現状が報告されました。ドイツでは、2008年2月に第5回容器包装廃棄物法案(ドイツ包装物法)を承認し、同法は2009年1月から施行予定とのこと。これによって一般消費者が購入する商品の容器包装は、すべてデュアルシステムのライセンスを取得する義務が生じ、また容器包装材の販売者には使用した材料の量およびその行き先を報告することが義務付けられます。

*デュアルシステムとは、ドイツの先進的な包装材リサイクルシステムで、リサイクルを事業として行うDSD社が、規定のマークのついた包装材を無償で回収する仕組みです。消費者が包装材を一般ごみとして自治体に出す場合には有料となるため、包装材のリサイクルを推進する強力なインセンティブが働きます。包装材に規定のマークをつけるためには、事業者がライセンスを有償で取得するが必要であり、その費用でデュアルシステムは経営されます。



 このドイツ包装物法では、「生分解性プラスチックは未だマーケット導入段階」との理由で、様々な規定が2010年末まで免除されており、今後数年で生分解性プラスチックのデュアルシステムを作り浸透させていく必要があるそうです。
 ただし、元々ゴミ分別をしている住民が、元からあるプラスチックと生分解性プラスチックを区別して認識し、更に分別する手間をかけるか?あるいはマークの種類が増えすぎても意味が分らない、というような課題も指摘されていて、その解決策として、ラベリングについては「EU内で統一した基準で同様のラベリングを行うべきだ」という共通認識があるとのこと。

 カッセル市で実施されたモデルプロジェクト“Kassel Project“では、適切にラベリングされた包装材料に対してそれぞれ分別・回収するシステムを試みたところ、住民も大いに賛同し、このシステムがうまく回っているので、自治体の取り組み方によっては、早い段階で生分解性プラスチックが消費者に認知され体系化されるだろうとのことでした。

ドイツのガラス瓶用ごみ箱。(右の2つはダンボールなど紙用)


 オーストラリアのメンバーからの報告では、オーストラリアで生分解性プラスチック認証制度を司っている機関は豪州プラスチック&化学工業協会(The Plastics and Chemicals Industries Association=PACIA)。で、オーストラリアにおける生分解性プラスチックのコンポスト性規格は欧州のEN 13432を元にしたAS4736 – 2006により規定されているとのことです。


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Vol.8 商品カタログ、ドレッシング
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