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2.予感
-ペイント自転車と防犯実験-
多くの人が気軽に愛用できる自転車。しかしその反面、窃盗・放置などの問題はあとを立たず、マナーは悪化するばかり・・・。日本の現在の自転車事情は、「防犯登録をしていても盗まれれば手元に戻ってくる率はゼロに等しい」「全国各地の自治体は放置自転車撤去に莫大な予算を費やしている」という有様だ。
そんな地域問題を何とか解決したい!と立ち上がった仲間たち。「派手にペイントされていたら盗まれないのでは!盗まれてもすぐに見つかるのでは!」という発想を元に、「ペイント自転車防犯登録システム」をつくり上げた。
これは、窃盗犯から盗まれないように、自転車を目立つペイントで守る「オリジナルペイント自転車」と、たとえ盗まれてもすぐ探索を呼びかけられるように登録する「自転車の<色・柄>登録ホームページ」で、自転車窃盗撲滅を目指すというもの。
昨年11月、豊中市民30名と自転車ペイント講習会を催した。用意した20台の自転車を市民と一緒に塗装し、オリジナルのペイント自転車を完成させた。同時に、ペイント自転車の<色・柄>登録のホームページをつくり、市民に鍵を使わずに実際に乗用してもらって本当に盗まれないかどうか検証する「鍵なし防犯実験」を開始し、これを三週間ほど試してみることとなった。
防犯実験に協力して下さった方々の利用状況をいくつか、紹介したいと思う。
過去に3度も盗まれた苦い経験を持っている方・・・。4度目の盗難を警戒して、自転車に乗るのを控えていた。しかし、白・黒・灰色の都市明細柄で、どこか颯爽と駆け抜けるシマウマを思わせる雰囲気の自転車を気に入って、利用してもらっている。今のところ盗まれていない。
家の塀の内側へ入れておいたのに盗まれた方・・・。近所の子供さんが自由奔放にペイントした阪神タイガースの柄の自転車を利用している。はじめは、「こどもがペイントした自転車に乗るのは気が引ける・・・」といっていたが、今は愛着が湧き、堂々と塀の外側に置いている。
 [カラフルな防犯自転車] 駐輪の煩雑な場所で利用している方・・・。ところ狭しと自転車の並ぶ駐輪場でも、カラフルなものなら自分がどこへとめたのか分かりやすい。また、鍵なしでも盗まれないので、面倒な鍵の開閉の手間が省けるそうだ。僕も同感だ。混雑した場所での鍵の開け閉めは、体や手が隣の自転車にぶつかり、イライラする。
自分で塗った自転車に愛着を感じている小学生・・・。利用者には、定期的に自転車の利用状況をメールで報告してもらっていた。この小学生は、カラフルな文字や背景色を利用して、積極的にメール交換をしていた。僕をあだ名で呼んでくれた。防犯効果以外にも、ペイント自転車を通じた、生活の喜びのようなものが、この小学生に芽生えたように思えた。
このように、ペイント自転車による防犯実験を通じて、防犯効果というメリットだけでなく、アートによるもう一つの重要な効果が生まれつつあった。
3.鮮明な一言
-ペイント自転車と島根ビジネスプランコンテスト -
防犯実験で期待通りの効果が出たことは嬉しかった。しかし正直、自転車盗難の問題を解決しよう!!と、切実に願っていたわけではない。自転車を盗まれた経験のない僕には、防犯への強い意識がなかったのだ。それでも、芸大生ということで防犯ペイントを任されている自分がいる。確かに、絵を描いたり色を塗ったりすることは大好きだが、防犯となると・・・。何だか嘘をついているような気持ち悪さもあった。
しかし、とあるきっかけを境に、その気持ち悪さが一掃された。2月7日、僕の地元、島根県で開催された、学生発ビジネスプランコンテストだ。
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