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その他、車関係の本の紹介から車産業・石油産業における大企業の本音や偽善を暴くIndustry Watch(産業界の見張り番)や、車広告や車中毒者たちの滑稽さを笑い飛ばすCar Cult(車オタク)もある。マガジンに時々掲載される車社会の風刺漫画は、そのコレクションが2冊、カーバスターズ・プレスから出ている。
例えば、温暖化による海面の上昇で村が海に沈んでしまった南の島の住人の会話-"こんな惨事をひき起こしても車に乗るなんてよっぽど重要なことをしてるんだろうね"、次のコマではドライブインでハンバーガーをオーダーしている車に乗った人、などユーモアを使って車社会を鋭く批判している。このように32ページに及ぶマガジンの中身は満載である。 
メディアとアクティブ間の相互作用
特徴的なのは、トピックに関する意見、記事のベースになる各国からのニュースや情報、他の活動団体にヒントとインスピレーションを与える様々な活動報告、読者からの手紙などの投稿を積極的に募っていることだ。投稿する際の詳しいガイドライン(それぞれの記事の字数制限やスタイルまで)を設けているので、フレンドリーで参加しやすくなっている。ここではメディアはただ単に伝える側ではなく、メディアとアクティブ間の相互作用で成り立っているのだ。
メールマガジンは英語、フランス語、ドイツ語、エスペラント語、チェコ語(他の言語も検討中)で読むことができる。またWebサイトのオンライン資料室では、カーバスターズの主張の土台となる文献を集めていて、政治経済、都市及び地球環境から人々の生活にもっと密着した問題まで、あらゆる角度から車社会・文化を検証し、さらに車と公害、環境破壊、自動車事故などの統計によって車社会を分析し、多角的に考えることができる。
他にも、自ら月1回プラハで開催している自転車デモCritical Massの活動記録を収めたビデオや、車に貼るための"警告:有害物質を吐き出し、呼吸器系の病気や癌を発生させ、特に他の生き物や子供たちに危険です"と書かれたステッカー、STOP(一時停車)の道路標識に貼るための、"DRIVING" のステッカー(合わせてSTOP DRIVING)等の販売も扱っている。
Webサイトではさらに、世界規模のダイレクトリーで活動内容、地域別に自分の探したい活動グループを見つけることもできる。ストリートパーティを広めたロンドンの"道路を取り戻せ"というグループ、オーストラリアのアンチ4WDキャンペーン、バルセロナの自転車利用者グループ、持続可能な発展を促すインドネシアのリサーチ協会、環境保全の活動を行っている香港の東アジアNGOネットワーク、南アフリカで人々の生活改善のため自転車を奨励・提供している活動グループなど、幅広い団体が登録している。
カーバスターズは情報の発信地であり、様々な活動団体を繋ぐ媒介でもある。そしてeメールを通じてローカルな声や情報を世界に向けて発し、国や言葉の壁を越えたコミュニケーションを可能にしたインターネットを最大限に利用しているのである)。
オーストラリアのイメージと実像
世界の都市部では、かつて徒歩、自転車または公共の交通機関を使って移動可能だった生活範囲も、郊外への新興住宅地の広がりとともに大きく変化してきた。多くの人々は長距離通勤・通学を余儀なくされる。また車を持たない者(高齢者、子供、障害や病気をもつ人)は依存的になり、孤立していく。
私の住んでいるオーストラリアの郊外住宅地では、車の便利さとは裏腹に車でしか移動できないという典型的な車社会の不自由さを実感できる。親は子供の学校への送り迎え、放課後の習い事、友達の家へとタクシー代わりに忙しい。とにかく何処へ行くのも車。子供たちだけで外で遊び回るという自由は限られ、子供たちはテレビやコンピューターの前で過ごすことになる(オーストラリアはその持つ健康的なイメージとは異なり、肥満児の数ではUSAと並んで世界一だという。
*某中堅出版社O社の編集者Mさんの依頼により、車のない社会を目指す”CAR BUSTERS”を取材、記事をまとめました
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