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カーバスターズ-車のない社会を目指して-

CAR BUSTERS

leader from from
飯野陽子 オーストラリア
day
2003-04-03
 

 車でヘルス・クラブに通いウォーキングマシーンの上を歩いている人はいても、近所で歩く人(レジャーとしてのウォーキングや犬の散歩をしている人を除けば)はほとんど見かけない。近所の人たちの車の種類は知っていても、顔は知らない。そこにはコミュニティーへの帰属性は感じられない。

 コミュニティーは自治性を失い、人々は自分達の生活に直接関係する様々な問題への政治的影響力はなくなっていく。そんな郊外の住宅地とそれを取り巻く車文化は、人と人のつながりは希薄で、コミュニティーの中心は広い駐車場を持つ大規模なショッピングセンターへと変貌し、文化はテレビに吸い取られ、コミュニティー文化の衰退を招いている。

 人やコミュニティーに視点を向けた生活環境作り、持続可能な移動手段として徒歩、自転車そして公共交通を利用しよう、というカーバスターズの呼びかけはとてもシンプルである。

 カーバスターズを通じてオーストラリアの"学校へ歩いていこう、子供たちが学校へ歩いて通えるような安全でフレンドリーなコミュニティーを作ろう"、と呼びかけるローカルグループの存在を知ってから、私の3人の子供たちも歩いて学校に通うようになった(時々車が故障していると思われ、車で通学する親切な友達に、"乗せていってあげようか?"と聞かれたりする、歩いて15分程の道のりで!)。

 "Be Active & Act Locally"(アクティブになろう、ローカルレベルで活動しよう)が、カーバスターズの根底にあるメッセージだ。完全に受身にならず、常に問題意識を持ち、ローカル、個人レベルで出来る"何か"を実現していくことが大切なのである。カーバスターズはその"何か"を見つけるヒントを与えてくれるだろう。


カーバスターズの可能性

 カーバスターズでアドレスされるのは深刻な問題だ。でもそれらの問題の深刻さから見受けられるような暗さや憂鬱さはない。理想論だけではやっていけない現実の中で自らを回復させる努力をしている車中毒者だと言ってのける。そのトーンはあくまでも明るく、ユーモアを忘れない。

 その視点の多様さ、実践的で時には奇抜な発想、独得のユーモアで、安易主義者に可能性を示唆する。車社会を直接批判する人たちだけでなく、健康のために徒歩、自転車を奨励するグループも、道路建設で破壊される自然を守ろうとする会も、子供の住みやすい環境やお年寄りも参加出来る町作りを目指す団体も、地球温暖化を危惧する団体も、もっと大きな意味での車産業中心の《大企業利益追求型》資本主義を批判する人も、カーバスターズを通じてリンクしていけるのが、カーバスターズの可能性だ。

 それは人々のローカルな活動が自分のコミュニティーのみならず地球の環境と生活の質を向上させ、環境問題、経済政策に影響を及ぼすことができる、という可能性である。そしてどんなローカルな、または個人的なささやかなアクションも、カーバスターズを仲介に世界規模のムーブメントとつながっている、そういう感触を得ることができる。

 "The only limitation is the limitation of imagination"(限界とは想像力の限界によってのみもたらされるものである)。若者中心のカーバスターズは、その若者たちの想像力を感じさせてくれる。

* 某中堅出版社O社の編集者Mさんの依頼により、車のない社会を目指す”CAR BUSTERS”を取材、記事をまとめました。


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