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SRI(社会責任投資)(1)

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渡辺さりな
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2004-03-13
 

1. SRI(社会責任投資、Socially Responsible Investment)とは?

 SRIとは簡単に言うと、社会的貢献を果たしている企業にのみ投資する、という投資家の動きである。従来の財務分析や企業のパフォーマンスによる投資基準に加え、 社会・倫理・環境といった点などにおいて当該企業が社会的責任(CSR, Corporate Social Responsibility)を果たしているかどうかを投資基準にし、投資行動を取ることを言う。

 例えば古くからはタバコ、ギャンブル、武器に関連する企業への投資をしないことなどが挙げられる。今ではさらに、環境に優しい企業か、法律遵守しているかなどを考慮した投資行動を指すことが多いようだ。また、米国企業の株主重視の企業経営に対する、ヨーロッパ的な市民社会組織という概念から発生したアンチテーゼだ、という見方もある。ともあれ米国での全投資ファンドの約12%がSRIに基づいていると言われていて、投資基準のメインストリームになりつつある動きは見逃せない。

  SRIとよく共に使われるのがCSR(企業の社会的責任、Corporate Social Responsibility)である。CSRとSRIとの関係は、両者とも企業の社会貢献に関する用語だが、CSRは企業からの観点、SRIは投資家からの観点で捉えたものと言える。CSRはステークホルダーに対して社会的な責任から企業活動を行うことであり、それに対しSRIは投資基準の一つとしてCSRを考慮して投資行動を行うことだ。

2. SRIの類型

・ SRIファンドの二種類

 欧米の国々では古くから宗教上の教義に反する企業には投資しないという伝統的投資行動があった。SRIファンドにもこの伝統を受け継ぐ宗教色の濃いファンドと、そうではないファンドに分かれる。もちろん日本のファンドにはこのような種類分けは無い。

・SRI行動の類型

 SRIを行う投資家行動には5つの類型が挙げられる。

① ネガティブ・スクリーニング型

欧米では歴史の古いSRI行動形態であり、武器・タバコ製造や化粧品の動物実験など非倫理的と判断される事業を行う企業への投資を回避する行動。

② ポジティブ・スクリーニング型

同一業種内の複数企業の中で、社会・環境面のパフォーマンスに優れた積極的CSRを展開する企業に投資を集める行動。例えば環境保全や労働慣行の改善、地域社会への貢献を企業活動の一つとして取り入れていることから企業に投資する行動。

③ エンゲージメント

企業のCSR行動を促すために、企業の公開質問状の送付や改善の働きかけなどのコミュニケーションを起こす行動。

④ 株主行動

既に株式を保有する企業の積極的なCSR行動を促すために、株主総会でのCSRに関する議決権行使や議案提出、株主代表訴訟などを行う行動。

⑤ コミュニティ投資

経済的格差の解消などを目的に、資本流入の乏しい特定地域の企業やプロジェクトに積極的に投資する行動。あくまでも地域ベースの投資行動。

 スクリーニング型の投資は世界的に最も一般的である。SRIがまだ十分に浸透していない日本ではポジティブ・スクリーニングのみ盛んだ。他国ではスクリーニングはもちろんその他の種類のSRIが行われている。国土の影響もあってか、アメリカでは株主行動とコミュニティ投資が一般的であるようだ。イギリスではエンゲージメントに積極的である。(つづく)


SRI(社会責任投資)(3)
SRI(社会責任投資)(2)

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