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アメリカの女性起業家統計
1990年代米国では空前の女性起業ブームとなった。経済活動は全般的に未曾有の活況となり起業数も増加したわけであるが、特に女性の経済界への進出が目覚ましい。米国での女性起業家について3回に分けて考察をしてみたい。今回は女性起業家は果たしてどのくらい増加してきたのかを数値で確認し、その背景を検討する。第二回目は女性企業家のライフスタイルを見てみる。第三回目には、女性企業家が直面している問題とその解決方法について検討したい。
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まずどのくらい女性起業家の活動が目覚ましいかであるが、全国レベルでの公式統計はない。民間のワシントンの女性ビジネスリサーチセンター(全米女性ビジネスオーナーズ協会の下部組織)の調査が最も広範なものであるが、それによると、1997年から2002年の間に、米国の総企業数の増加が7%であったのに対し、女性がオーナーの企業は14%の増加をした。そして、その企業の雇用する従業員は全国平均の18%増加に対して、30%という驚くべき成長を遂げた。
また、単に数が増えただけではない。1990年代に女性が起業した企業の38%が、こんにち50万ドル以上の年間売上高を記録している。2002年、全米では女性がオーナーの企業の11万社以上が100万ドル以上の売り上げを記録している。驚くのは、それらの企業が約4分の一は10年未満に20人未満の従業員から出発したと言うことである。
そして、現在、女性がオーナーの約9000社は100人以上の従業員を抱えるまでに成長した。その結果、米国の非上場企業の28%が女性オーナーとなっている。女性起業家が起こした企業は単に多いだけではなく、順調に成長していることがわかる
また、別の調査によると、女性が株式の50%以上を所有している企業は、全米に約1010万社あり、1820万人を雇用しており、2兆3千億ドルの売り上げを記録している(女性ビジネスリサーチセンターの調査では、女性が単独オーナーになっている企業は620万社、920万人を雇用し、1兆1500億ドルの売り上げをあげているという)。1997年から2002年の間にその企業数は11%増加し、総企業数の増加6%の倍近い伸びを示した。この高い伸びは、最近10年間の変わらぬ傾向であり、女性企業数は全企業の増加数の1.5倍から2倍の伸びを示しているとしている。
女性が起業した会社の業種を見てみると、サービス業が最も多く、次いで小売り業、建設業、金融業、不動産業、保険業の順番である。
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このように起業ラッシュ(特に女性の起業)となったのは、ある程度、経済的・社会的必然であると考えられる。まず第一にあげられるのは、コミュニケーションネットワークの進化とコンピューターの普及である。これらによって、広大な米国での地理的不利益を克服することが出来るようになったのであり、また、だれもが気軽にコンピューターの力を借りて単調な業務に限らず、複雑な業務をこなしていけるようになったのである。
もちろん、これらの現象は経済全般に関することであるが、特に、零細企業の分野で顕著であると言える。これは、約8割のベンチャー企業がインターネットを重要なビジネスのツールであると答えているというところからもわかる。第二にあげられるのは、やはりコンピューターの普及と密接に関連しているが、従来は大企業に有能な人材が集まっていたのが、有能な人材は自分で会社を興すように、カルチャーが変わってきたからである。
それは、目覚ましく変化していく社会の中で変化に先んじてビジネスを構築し成功していくのは、大企業には困難になってきたのが一つの原因であろう。そして、急速な技術の進歩の中で大企業が得意な巨大資本を投下したビジネスと言うのは採算にあいにくくなってきたからであると言える。第三には株価の高騰を利用したストックオプションが新興企業の財務戦略にマッチし、高い元手をかけずに高成長企業は高いボーナスを役員に支払うことが可能になったためである。
このような背景の中多くの女性が企業を興しているわけだが、さらに詳しく彼女らが何を考えているのかを次回探ってみることにする。
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