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3.現在地点
パンゲアの食事は“おうちごはん”と名付けている。自分の家で食べる感覚で、なるべく地元堺市の農家で作った野菜や穀物を出す。ちょうど夕食時に訪問したので食事をさせていただいたが、味付けもさっぱりしていて、毎日食べても飽きない感じだ。日本社会の一番の問題は無関心だと、湯川さんは言う。地域の問題はまるで他人事のようで、自分の住んでいる地域をまったく知らない。これでは信頼関係が生まれない。これが「依存」を生む。自立した市民を生むためには、地域に根付く必要がある。だから地元の魚屋さん、八百屋さんとの付き合いを大切にする。
まちづくり会議にも参加していて、そこで自治会の人たちとの接点もある。自治会は活発だが、年配の人ばかりで、若い人が参加していない。若い人と繋げていくのが自分たちの仕事、とは思うけれど、彼らにいきなりNPOと言っても引かれてしまう。まずは友達になること。会話を始めること。湯川さんは、とにかくお客さんが何をしているのか、聞くことにしている。まずは関係作りから。NPOの情報は、ライブイベントやショップカードと、さらっと並べて置く。
 おうちごはん
4.苦労した点、直面した問題、
これまで苦労した点と言えば、ボランティアでずっとやってきて、お金に慣れてないことだと湯川さんは言う。続けるためにはビジネス感覚が必要だ。だが行き過ぎると、自分のやりたかったことが、いつの間にか分からなくなる。想いとビジネスを両輪に、と思うけれど、そのバランスは難しい。
想いに偏ると収益が出ない。収益に偏ると、人が離れそうになる。湯川さん1人では、ここまで続けられなかった。幸いなことに相談に乗ってくれる人が2人いた。1人は、想い重視の人、もう1人はビジネス思考の人、この2人に相談しながらバランスを取ることができた。
今のところ、月二回くらいはイベントをする。先日も“ミンダナオ音絵語り”、というイベントを開催した。ミンダナオ島で図書館の支援をしている人の帰国に合わせて、日本の人に現状を知って欲しい、できれば資金も集めたいという試み。アフリカの民俗音楽とアニメーションのコラボレーションをやって、わずかながら収益金をミンダナオ島の図書館に送った。
パンゲアの吹き抜けの2階には、複数の用途のためのコミュニティスペースがあって、ブースは一つ18,000/月で賃貸している。訪問したときには、マッサージ屋さんと花屋さんが入居していた。吹き抜けを挟んで反対側の大きなスペースは、ギャラリーになっており、絵画展などに活用されている。
このスペースは、将来的には、地域の情報発信の基地にしたいと考えている。NPOのためにCMを作ったり、コミュニティラジオを運営したり。チラシ作成、HP作成もしたい。やりたいことはたくさんある。湯川さんは、最近ようやく、続けて行けそうな気がしている。
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