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地域財を活かす起業オークションとは

コミュニティビジネスのための資金集め

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守分梨恵
day
2004-07-11
 

 2つ目に紹介するのは今年3月に京都で開催された公開起業オークションだ。WWB/ジャパンが市の支援で運営している京おんな塾という起業家セミナーに参加した、起業を目指す女性3名が発表し、予想以上の応援を集めた。京都では昨年に続きオークションは2回目。さすが日本の伝統文化が色濃く生活の中に残っている京都ならでは、オークション会場には着物姿の女性も目立つ。そして京都オークションでは他地域にはない、女性の感性がキラリと光る。

 「使っていただかないと良さはわからない、まずは体験してもらおう」――そんな生活者の視点から、モニターになっていただける方の募集をしたり、回数券の予約販売をしたりする。起業のための応援を募るというよりも、広く意見をもらい、商品やサービスにもっと自信をつけたいという京おんなのしたたかさが窺える。起業家としての視点からいえば、顧客開拓とマーケティングの絶好のチャンスとして起業に活かしている。

 もうひとつ京都の地域性が窺えるのは、京おんな塾の受講生の間では期を超えた応援体制があり、オークションとなると会場の準備も含め、何か協力できる事はないかとたくさんの方が申し出てくれる点だ。良い物件を紹介したり、ご自身の経験からアドバイスをしたりと、本来のコミュニティがあるように思う。京都には志を同じくするもの同士で助け合う、そういう風土があるのだろう。依存型社会の日本において、自立した地域という点では先端をいっている地域ではないだろうか。

 次に、今年の2月に島根で開催したオークションはこれまでのオークションよりも一段と人材育成の面が強いものとなった。島根県は県外からのアクセスが非常に不便なため、閉鎖的な風土が色濃く残っているが、かえって豊かな自然、農水産物、独自の文化や伝統技術などの財が地域内に数多く残る地域である。一方、地域外との接点や競争が乏しく、地域経済に流動性や新陳代謝が生まれにくい状況でもある。この状況を打開するために、島根オークションの目的は若者が島根の魅力を発掘し自ら学び、島根県内外のマーケットにつなげることとし開催した。

 開発途上国の民芸品を扱う雑貨店に取り組むグループなど7組が、「都市のマーケットにつなげる」「自分の腕を磨く」チャンスや応援を、会場の参加者、島根の会場とTV会議でつながった東京・大阪・山口・福岡の会場の参加者に呼びかけ、結果的には各地から応援や注文が集まった。

***


 中でも、県内中山間地の小学生20名が地域の特産品を調査し、地域特有の特産品セット商品を開発し、インターネット等を利用して県外のマーケットに売り込む事業を行なったところ、オークション1ヶ月前から呼びかけを開始して当日までで200パック近い注文と応援の声が寄せられた。子供たちにとっては地域の魅力を再認識する機会となるとともに、地域住民にとっても自らが持つ財、コミュニティ意識を高揚するきっかけとなった。

 会場参加者から回収したアンケートには、「島根の財を活かす、島根の財を知る事に通じるコンテストであった。地方の時代・地域の時代である今日、また国際社会である現在、学生や若者が、未来に求められるものやなくてはならならないものを欧米の真似ではなく日本独自の財を活かして、創造していくべき。それを期待し応援していきたい」と、若者への期待と応援の声が寄せられ、地域全体で人材育成をする意識付けのよい機会となった。


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地域財を活かす起業オークションとは (下)

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