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子供たちに本を!~NGO『ラオスのこども』~
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| 2008-07-23 |
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ラオス語を学ぶ時間や余裕のない少数民族の子供たちに、その民族の言葉で書かれた本を届ければよいのでは?という考えが浮かんだが、現在ラオスでは、ラオス語での出版しか認められていないという。
また、少数民族の住む村へ本を配布する際に、道路の整備が不十分な地域では、村にたどり着くまでが大変だという。雨季には通行不可能な場所も多い。
少数民族を取り巻く問題は、おそらく教育に関わることに限らないと思われる。「本を読もう」という以前に、解決すべき問題が多く残っているわけで、ここで活動する困難は想像に難くない。
活動がもたらしたもの
私自身がラオス語を学び始めたときに、先生が私に見せてくれたのは、ラオスの小学校で使っている一年生用の教科書だった。中を見ると、単語と短い文章が並んでいるだけで、挿絵も少なく、退屈なものだった。これでは子供もやる気が出ないだろう。そこに、きれいな挿絵と楽しい話が入った本が持ち込まれたら、子供はどんなにうれしいだろう。学校に来るのが楽しみになるに違いない。
実際、本を読むことによって、子供の学力アップ、落第率の低下といった好ましい変化が多く見られるようになったという。本を届けたときの、子供たちの笑顔は、きっとスタッフの励みになっていることだろう。ラオスのこどもの素朴な笑顔は、本当に素敵なのだから。

ラオス語版『五体不満足』
取材に伺う数日前に、偶然、「ラオスのこども」が出版した『五体不満足』をミニマートで見かけた。なぜ、この本を?という問いに、猿田さんが答えてくれた。
「ラオスでは、まだ障害者に対する理解が十分ではありません。家族に障害を持つ者が出ると、外に出さず、家の中に隠してしまいます。障害を持つことは恥ずかしいことだという考えがまだ残っているようですね」
障害者理解を促す意味もこめて、チャンタソンさんが、この本が選ばれたそうだ。また、貧しいラオスの人々が、「自分たちは貧しく、恵まれていない」と卑屈になることなく、逆境にめげずに生活してほしいという想いもこめられている。
まず、チャンタソンさんが日本語からラオス語に翻訳、そして、ラオス側で数名が校正・編集を担当。さらに、原書の味を生かすために、若いスタッフにも読んでもらい、加筆訂正ののち出版となった。
ちなみに、『五体不満足』は、主として販売に向けて作られているが、無料配布用の本の中には、『ぐりとぐら』『三匹のやぎのがらがらどん』などがあり、取材に同行した私の息子は、うれしげに手にとってめくっていた。かわいい絵本に惹かれるのは、どこの国の子供も同じだ。
※『五体不満足』については、ハードカバー3000冊は(財)大同生命国際文化基金の支援で無料配付、ソフトカバーは自己資金で印刷・販売されています。
今後の課題
「将来は私たちの手を離れて、ラオス人だけでこの活動ができるようになればいいなと思います」と猿田さん。将来的には、現地での活動を現地スタッフにすべて委ねて、日本人はラオスから撤退することを目指しているそうだ。
もちろん、資金面での支援は、まだしばらくは必要と思われる。(東京事務所では、各種募金を行っているが、その中に「本のある学校募金」というのがある。一口18万円。これだけで学校に付属する図書室一つとそこに置く図書を用意することができる。図書室の入り口にはネームカードが掲げられる。遠い異国の地に自分の名前が掲げられた図書室があるなんて、ちょっと素敵!と思われる方は是非)
ラオスはまだまだ貧しい国だ。「本を読む」という、私たちにとっては何も特別でないことを、多くのラオスの子供は知らないでいる。一人でも多くのラオスのこどもが、本を手に取り、挿絵の美しさに目を輝かせ、物語の素晴らしさに心を動かされることを願わずにはおられない。(了)
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