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オーストラリアの女性起業家 

-世界の女性起業家シリーズVol.1-

leader from from
飯野陽子 オーストラリア
day
2003-05-17
 

 オーストラリアでは1980年代に入り、 The Commonwealth Office of the Status of Women(女性地位局)が設置され、アファーマティブアクション法及び雇用機会均等法が成立、制度面での男女平等は整えられた。女性の雇用も過去50年間で80万人から400万人以上に増え、1999年には女性労働人口の雇用は55%に拡大し、2001年には女性の賃金が男性の84.5%まで到達している。最近では専門職の49%、大学生の55%が女性、国会の24.5%を女性議員が占め(世界平均13.4%の倍近い結果)、女性の社会進出は着実に進められている。

 しかしながら、オーストラリアのトップ20の205人のコーポレートディレクターのうち女性はわずか4人、女性の大学教授は10%、とまだまだ女性たちにとって目には見えない“ガラスの天井”が存在している。

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 Small Businessは従業員20人以下のビジネスのことで、その85%がさらに小規模の従業員5人以下のMicro Business だという。オーストラリアの経済において重要な位置を占め、一般部門の雇用50%、GDPの30%を生み出しているセクターだ。400万人と言われる女性の雇用のうち約100万人がこのセクターに属し、そのうち35%が女性オーナー・経営者である。

 また、Small Businessにおける女性起業は年間約3%の割合で伸びており、その伸び率は男性による起業の1.5倍である。そのような統計結果からSmall Businessにおける女性の存在、そしてその経済効果が注目されるようになった。

 あるアンケート調査によるとSmall Businessにおける女性オーナー・経営者の多くは30~45歳、50~70%が結婚(ちなみに男性は90%)しているという。約半分が未成年の子供を持ち、主に自分が子育ての責任があると見ている女性は90%いる。子供の成長を待ち、40代に入ってから起業している場合も多い。家庭や子育てによる女性の役割はまだまだ女性が起業する上でハードルとなっているといえるだろう。

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 Global Entrepreneruship Monitor(GEM)2002の報告書によるとオーストラリアの女性起業家たちは、先進国の中でUSAとともに産休の有給制度が法によって定められていない唯一の国であるにもかかわらず、働く母親に対する政府の公共サービスをある程度評価しているという。女性が起業することへの社会の受け取り方もかなりポジティブであると感じているが、女性は男性に比べてビジネスチャンスやリソース(時間、資金、コンタクト、情報といった資源)に欠けていると感じている。男性に劣らぬ能力はあるものの、社会において又女性自らもその能力を低く見がちであるとしている。

 しかしながら男性起業より女性起業のほうが生き残る確率は高い、という統計結果もでており、いったん起業が軌道に乗ってくると、女性のビジネスに対する自信は男性と変わらず、女性がビジネスにおいて不利である、と考えている女性起業家は少数(17%)に過ぎない。

 今回コンタクトをとった女性団体や個人の複数がThe Commonwealth Office of the Status of Womenを女性に役立つ情報源として挙げている。この女性地位局は内閣と直接結びついた女性に関わる政策・予算面でのアドバイスボディーで、様々な面で女性問題を解決していくため、州レベル、地域レベルでのサポートネットワークの活性化、そのためのリーダーシップの育成を目指している。ウェブサイトの開設により、様々な公共機関やNGOの女性団体とのコミュニケーションを計り、女性への情報提供の場となっている。また女性の地位及び生活の質を向上するための様々な団体のプロジェクトへ助成金を提供している*。

*2002-2003年度においてのWomen's Development Programmeでは13の団体に総額45万ドル以上の助成金を提供。 

- この記事は、 WWB(女性のための世界銀行日本支部)の奥谷京子さんからの依頼で作成しました -


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