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Children Overboard事件 ~ジャック・スミス氏(Project SafeCom)インタビュー

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飯野陽子 オーストラリア
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2004-05-25
 

‐ ウェブ上で人々も持つ難民に対する偏見や間違った認識について1つ1つ説明していらっしゃいますね5 。多くの善良な人々が感じる「難民よりも、自分たちの国の助けを必要としている人たちをまず助けるべきだ」という意見に対して、チャリティーとは'我々'と'彼ら'というカテゴリーに分けて考えるものではない、と答えていらしゃいます。

 実際にこのような'我々'と'彼ら'というメンタリティーを変えていくにはどうしたらよいと思われますか?

 グローバル世界における人々の自由な移動という側面は、多くの人がいまだに受け入れることのできないでいる変化です。もし国境がなくなれば、難民収容所もなくなる、ということを受け入れる勇気と、それを実現する手立てがないのです。

 ヨーロッパでは、EUにより一部試されていますが、問題はたくさんあります。自分たちの現在の生活を乱されたくない人々が、'他者'を'我々'にしなくてもいいように、ややこしいルールを作り出しているのです。

 このようなメンタリティーはすでに変わりつつあります。初めて宇宙から地球の写真を撮ることに成功したとき、'我々'と'彼ら'という考え方を変えていく第一歩を踏み出したと思います。地球の写真は"We are all 'us'"(我々すべてが'我々'である)と教えてくれています。グローバリゼーションの第一歩は、すべての人たちを"他者"ではなく、"我々"の1人と考えることだと思います。

‐ Project SafeCom における様々な問題に取り組んでいくジャックさんのホリスティックなアプローチについてお話していただけますか?

 数百人の人たちを収容所に閉じ込めておくだけのために、2年間で20億ドルを超える費用がかかるという難民政策は、持続可能とは言えません。その費用は利益に見合うものではないし、オーストラリアのモラル的な立場から見て、そのコストは大きすぎます。

 難民はグローバリゼーションと結びついているし、グローバリゼーションは政府のあり方、戦争、敵対主義、コンセンサスへの考え方、'我々'と'彼ら'といった従来の考え方と異なる見方を発展させていくことと結びついています。

 それは間違いなく持続可能な考え方を求める方向につながっていきます。環境保護の面での持続可能な政策というだけでなく、多方面において持続可能な政策を発展、推進していくことが大切です。

 古い考え方と新しい考え方がありますが、私たちは新しい考えを進んで受け入れていかなければなりません。そうすれば新しい枠組みの中に適応するように、様々なシステムを更新していく必要性が見えてくるでしょう。

‐ 日本の読者に何かメッセージは?

 人々が発した声や、池に落ちた石が起こした波紋、その声のエコーや波紋はどんどん小さくなり、遠くへと伝えられ、決して完全に消えうせることはない。これは普遍的な物理法則です。ですから、1人1人が発する声のエコー、波紋によって引き起こされるひとつひとつの小さな波は、言うなれば世界を永遠に変えるのです。

 私たち1人1人の声は世界を永遠に変える力があるのです。それは非道な行いに対して、たとえ自分が何百万人の人たちの1人であっても、または1人っきりであっても、声を上げなければならないという勇気を与えてくれる'真実'なのです。

 我々の活動はサポーターと寄付7 によって成り立っています。日本で我々の活動に賛同していただける方がいらっしゃれば、とても有難いです。

ジャック・スミス 
ソーシャル・ワーカーとして失業者やアボリジニの職業トレーニングや、西オーストラリア、メルボルン、コロラド(USA)で地域開発プロジェクトに携わるなどした。また専門学校でコミュニティー・ワークを教えた経験を持つ。Project SafeCom Inc.の創立者でコーディネイター(jackhsmit@wn.com.au)

6.Facts and Myths: http://www.safecom.org/refugees1.htm

7.Project SafeComへの寄付はこちらから→http://www.safecom.org/wrd2004.htm


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Children Overboard事件~オーストラリアのボート難民たち~

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