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スウェーデンの移民たち
先ごろ人口900万人を突破したスウェーデン。この国で、2003年に住民登録した外国人は、4万5000人にのぼるという。そのうち、23%が北欧諸国から、24%がその他の欧州諸国から、残りの5割以上が欧州以外の国からの人々である。(注1)
スウェーデンに移住して住民登録し、パーソナルナンバー、いわゆる住民登録番号を取得すると、コミューン(地方自治体)によって新生活に必要な情報の提供、教育等の支援が始まる。
この「導入期間」の長さは、通常は移住後2年間とされているが、個人の経験や必要に応じ、柔軟に対応されている。期間中には、それぞれに様々な進路の相談ができる"進路相談員"がつき、希望すれば、スウェーデン語の無料指導、就職サポート、通訳サービスなどを受けることもできる。
これらの援助は、外国からやってきた新住民が、できるだけ早くスウェーデン社会に適応し、自活できるようにすることを目的としている。移民にとってはもちろんのこと、長い目で見れば、社会経済の活性化、違反や犯罪の防止など、スウェーデン国家にとっても有益な政策と言えるだろう。
移民に対するサポートの中でも、16歳以上を対象とした無料のスウェーデン語教育は、大きな役割を占めている(注2)。
その内容は、アルファベット、数字の読み方、自己紹介の仕方から始まり、スウェーデン語を学びながら、一般生活・文化に関する知識―例えば、学校制度、政治経済、法律、職業に関する事柄等―を得られるようになっている。高校レベルに行けば、文学や化学、英語等の専門講義も受講できる。
各コースの学習目標は教育庁によって定められているが、実際の運営は、それぞれの自治体が行っているため、地域によって多少システムが異なっている。
ここでは、スウェーデン中部に位置する人口13万人弱の中都市オレブロ(Orebro)における、「移民のためのスウェーデン語学校」(SFI:Swedish for immigrant)の様子をレポートする。
(注1) 移民庁調べ (http://www.migrationsverket.se)
(注2) 義務教育期間(7~16歳)は、各学校において、別途スウェーデン語、および必要に応じて母国語の教育が行われている。
1.語学学校入学までの流れ
パーソナルナンバーが取得できたら、最寄りの当局コミューンの窓口で入学申し込みを行う。処理状況にもよるが、数週間すると、担当の進路指導員との面接に呼ばれ、それまでの学歴や職歴、将来の希望などを話す。学歴や資格の証明書があれば、今後大学等に進学する際に必要になる、高等教育庁への書類送付なども行ってくれる。
次に、学校から派遣されてきた先生と面接し、改めて、自分の経験やこれからの目標を述べ、最後に、簡単なスウェーデン語の理解度調査を受ける。この結果と本人の希望に基づき、最適なコースが決定される。
各コースは、秋学期(8月開始)または春学期(1月開始)に開講されるため、運が良ければ面接から1、2カ月後、長い場合は半年前後待ってからの入学となる。
2.コースの内容
「移民のためのスウェーデン語学校」(SFI)は、スウェーデン語を始めて学習する人のための学校だが、母国で受けた教育の期間や個人の能力により、コース分けされている。
義務教育を受けた期間が2、3年以下の人のための、アルファベットの読み書きから始める「SFI1」、義務教育修了程度の学歴がある人を対象とした「SFI2」、高等教育を修了した人または同等の能力がある人を対象とした「SFI3」の3段階である。いずれも、発音や自己紹介といった基礎から始めるのは同じだが、コースによって、学習進度や期間が異なってくる。また、コースの中でも、速習クラス、普通クラスと分かれている場合もある。
その他、幼稚園や初等教育、看護等に関連した実習を含むコースや、手話話者のためのSFIも設置されている。
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