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3.クラス構成
留学生が通う語学学校とSFIとの大きな違いの一つは、生徒の構成だろう。SFIに通っている生徒は、スウェーデンに住むことを目的に居住している、いわゆる移民、難民が殆どだ。
クラスメートの中には、妊娠中で大きなお腹を抱えて通学している女性もいれば、幼稚園が急きょ休みになったからと、幼い子供を連れて来る人もいる。欠席や遅刻早退の理由は、本人の病気などに限らず、子供の発熱、移民局への出頭、離婚で問題を抱えているなど様々だ。
4.学校について
市内に幾つか拠点を持つSFIの本拠地は、「成人学校(Komvux)」内にある。Komvuxとは、高校レベルの教育を受けることができる成人のための学校で、高校卒業資格を取得したり、興味のある科目を受講したりすることができる(注3)。
スウェーデン人以外でも、相応のスウェーデン語能力があれば、ここで勉強して高校卒業資格をとり、大学へ出願することも可能になる。
もちろんSFIの生徒も、Komvux内の各施設を利用している。図書館には、スウェーデン語初心者用の本やカセットが設置されているし、学業や家庭内の問題等を相談する必要があれば、常駐するカウンセラーがサポートしてくれる。
(注3) 授業料は無料。入学資格は20歳以上とされているが、高校を卒業していれば20歳未満でも出願可能。
5.授業の内容
SFIでは、今のところ無料で勉強することができるが、生徒には義務も課されている。その一つは、1日8時間学習することだ。仮に、学校での授業が5時間の場合、残りの3時間は自宅等で勉強することとされている。家事や子育てをしながら、宿題や試験勉強も欠かせない。
コース「SFI3」を例にとると、授業は、アルファベットの発音練習から始まり、衣食住に関する基本的な単語や表現を学びながら、次第に、文化、政治、法律、環境、労働等のテーマが扱われていく。学習中のテーマと関連させながら、パソコン操作を学ぶ授業も組み込まれている。
通常の授業以外にも、自己の進路について考えたり、スウェーデン社会を知ったりする機会が与えられている。その一例として、特別教員による進路指導、環境団体とのディスカッション、「女性のための駆け込み寺」の紹介などが挙げられる。
先に述べたとおり、SFI内には、それぞれの事情でスウェーデン語を学んでいる人が混在しており、生徒の間にモチベーションの差が表れることも多々ある。仕方なく学んでいるがゆえに、学校を休みがちになり、学期末には姿を消してしまう人もいる。先生との相性が会わず、有料の学校に移ったという話も聞いた。
一方、出産・子育てのため一旦休学し、数カ月、数年後にカムバックしてきた女性も少なくない。ある友人は、配偶者の転勤で移民の少ない小さな都市に引っ越すことになり、転校先では彼女のためだけに先生が配置されたそうだ。
あれこれマイナスな点を挙げればキリがないだろうが、コミューンあるいは各学校の事情により、教育方針や生徒数に対する教員の割合、施設の質などに格差があるのは否めない。しかし、スウェーデンでは、少なくとも本人に学ぶ意思があれば、あらゆる住民に学習の権利と機会が提供されている。
暴動で明らかになったスウェーデンの移民問題
外国人女性のための就職支援プロジェクト/スウェーデン
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